―貴い人生のために― 信解のための道しるべ (三版)
色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ、
有為の奥山今日超えて、浅き夢見じ酔ひもせず。
無常を観ずる心。露命を無常の風に任することなかれ。
人身得ること難し、仏法逢うこと稀なり。
皆死ぬる人と思えば懐かしい。因果の道理歴然として私なし。
己こそ己の依る辺、己をおきて誰に依る辺ぞ、
よく調えし己にこそ、まこと得難き依る辺をぞ得ん。
精進こそ不死の道、放逸こそ死の径。不精をせず、怠らず。
一切の為に、悪を作さず、善を努め、名利を求めず、心清らに。
身心自らも愛すべし、自らも敬うべし。「お大事に」
自未得度先度他、自分より先に他者のため。自利利人の法。
世間法は垣根の中で、損得・評判・苦楽にとらわれる。
出世間の心は、「我らと衆生と皆ともに仏道を成ぜん」
善の循環としての供養(お手伝い)・利益(皆のため)・
功コ(狙わずに)・回向(おかげさま)。
情は人の為ならず。掛けた情は水に流せ、受けた恩は石に刻め。
慎みを持ちながら、掛替え無い自己を育む。少欲・知足。
親のこころ子知らず、免れて恥じずとならない為に。
孝順は至道の法なり。孝を名づけて戒となす。
自然と文化、人間洞察、権力や罰則を用いず。
懺悔を修め、他者の過ちを許す心を培う。佛も昔は人なりき。
最勝の善身を徒にしない。生死の中に佛あれば生死なし。 |