一年に何回、お寺に足を運ぶでしょうか。先祖供養や他家の法事、知人のお葬式への参列などでは、せいぜい 1 ・ 2 回かもしれません。若い人や、都会にいる人が帰省しても、墓参はするけれど、祖先の菩提寺にはお参りしたことがない、親や祖父母の葬式で初めて行ったということもあるでしょう。もっともこれは檀信徒の立場を想像してのことです。逆に住職の方にも、お寺にお参りはして欲しいのだけれども、それができない様々な事情があるのです。そうなると肝心の布教が出来ない、聞法の機会が少ない。ここに葬式仏教と揶揄される現状があります。
しかし寺檀が疎遠になり、世間から仏教の心が失われることを、座して待つわけには参りません。何とか工夫が必要であります。最近ではカルチャー教室などを開き、人々を受け入れる寺院もあるようです。当寺では、まずは恒例の行持を活かし、参拝の機会を積極的に作りたいと考えました。平成 7 年から毎月一度、葉書で案内をして、お参りいただくようにしたのです。
従来は寺内のみで勤めていた法要でしたので、お檀中の参拝にあたっては工夫が必要でした。幸い瑞川寺には仏教婦人会という檀中婦人の組織があります。その会員を 10 の班に分けて当番化し、さらに婦人会の役員が、会議を兼ねて当番という機会も考えました。
こうして住職や援法いただく近隣御寺院と、お参りのお檀中という、寺檀あげての行持がなりました。そしてお世話をする当番は婦人会員が交代で勤めるようになり、年中行持が軌道に乗ったものと思っております。
なお、それぞれの行持については、アルバムをご覧下さい。 |